暗号資産3.0の正体

Bitcoin

 

ある初期の暗号資産長者が、最近の暗号資産の世界に失望しているとの趣深い物語が伝えられている。

テクノロジーは好きだが、この産業への愛を失った。

ジェレッド・ケナ氏が約3年ぶりにツイートしたのは、暗号資産への愛を失ったという話だった。
初期の暗号資産に込められた理想を忘れ、金もうけばかりに夢中になるコミュニティーに失望したのだ。
同氏はビットコインの出始めにビットコインを買い大金持ちになった人物だ。
しかし、今ではほとんど暗号資産を保有していないのだという。
本人によれば、0.5ビットコイン、数ビットコインキャッシュ、50,000 XRP持っている程度だという。

ただし、ケナ氏は、暗号資産の現状・未来に悲観しているわけではないという。
暗号資産を擁護する意見に対し、次のようにツイートしている。

「状況が悪化していると言うのではない。
びっくりするようなことがたくさん起こっている。

私が言っているのは:

すごいこと 100倍
価格上昇だけへの集中 10,000倍
詐欺 10,000倍

全体では大きな前進だ。」

とても「大きな前進」とは思えない書きぶりだ。
このケナ氏にBloombergがインタビューしている。
同氏はかつてのコミュニティの様子を回想する。

「話し合うことは重要なことばかりで、金もうけの話などほとんどなかった。
・・・今ではみんな金もうけにしか目がない。」

かつてこのコミュニティはテックおたくの集まりだった。
ところが時代は変わった。
ケナ氏は前週マイアミで開かれた暗号資産のイベントの様子を話した。

「たくさんきれいなモデルがいて、男を物色していた。
・・・変わってしまった。」

確かに初期の暗号資産の世界には、傲慢な国家権力から解き放たれ、市民のためのユートピアを作り出すといった途方もないナラティブが存在した。
しかし、現実は犯罪や脱税を助長するネガティブな面が大きかったし、生み出されたのはユートピアというよりは投機の世界だった。

ケナ氏も、暗号資産のおかげで普通でない人生を送ってきたようだ。
暗号資産で得た資金でコロンビアに小さなブリュワリー、サンフランシスコにシェア・ハウスを保有している。
その一方で、間違って800ビットコインをコンピューターから消してしまったり、何度もハッキングにあったりして、体調を崩し、莫大な資産を失ったのだという。
ブリュワリーやシェア・ハウスを保有し、ボストンの不動産購入を検討しているというから、手元にかなり残っているのだろう。
こうした人なら、儲けさせてもらった暗号資産から距離を置くのも当然なのかもしれない。

Bloomberg記事は、暗号資産調査会社の声を紹介している。
初期のコミュニティの住民の多くがビットコインに「非現実的な期待」を抱き、商業化を望まない傾向にあるのだという。

「初期のユートピア建設者の多くは当然ながら幻滅した。
・・・予想されたことだ。・・・多くの魂が失われた。」

ユートピアに近づくための暗号資産3.0の正体は、インターネット・カジノだった。

ケナ氏が批判を抑制的に語っているように、投機がいけないというわけではない。
法やルールを守って投機をするのは宝くじや公営ギャンブルと似た話にすぎない。
金融政策が過度に市場のボラティリティを奪ったがために、ギャンブル好きのミセス・ワタナベが暗号資産に移っただけのことだ。

残念なことに、暗号資産のユートピアはやはり訪れそうにないというべきだろう。
分散システムが社会を変えるといった話は、目に見えない技術面では起こるのだろうが、社会のありようまで変えるものにはなりそうにない。
デジタル通貨の利用者が求めるのは、それがブロックチェーンであるか、台帳が分散されているかではなく、コストとスピードだ。
その意味で、必要な場面で必要な技術が採用されていけばよい。

一方で、暗号資産のユートピアが実現しないとすれば、残念なことでもある。
このユートピアは、各国中央銀行の途方もない規模の通貨発行に対する抗議の意味も含んでいたからだ。
フェイスブックが予定するリブラは期待を抱かせるが、これとて各国通貨に紐づいているという意味で中央銀行への抗議とはなりえない。
不正を排し、投機対象でなく、決済を目的とし、その普及する経済に応じた通貨発行量を実現できる暗号資産であれば、否定すべきものではないはずなのだ。

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