今後10年で起こる経済・ファイナンス革命:ロバート・シラー

 

ロバート・シラー教授が今後10年間で経済学やファイナンスの世界で起こる革命を予想している。

「最近、本を出版したんだ。
買ってね。」

シラー教授が、シラーCAPEレシオを用いたファンドを運用するOssiam主催の対談で笑いを誘った。
対談の終わりに、知らされていなかった質問「何か別に言いたいことは」と尋ねられて絞り出した答えだ。
教授は、この答に続いて、新著『ナラティブ経済学』に込めた強い思いを語った。

経済学またはファイナンスの職業は今後10年で大きく変わるだろう。
もっと人々の考えを重視するようになるからだ。
今や新たなデータ・セットが得られ、強力だ。
人が話したことをデジタル化しており、検索可能になりつつある。

シラー教授は、経済や市場をこれまでの主流とは異なるアプローチで見つめようとしているのだ。
対談では、多くのテーマが語られたが、中に、現在市場を脅かしているイールド・カーブの長短逆転があった。
イールド・カーブが逆転すると景気後退が訪れるという経験則だ。
シラー教授は、このナラティブについて調べ、これが「自己実現的予言である可能性がかなり高い」との印象を得たという。

「過去100年調べたところ、時々新聞が伝えていた。
『イールド・カーブが逆転に近づいている。
おかしな事だ。(終わり)』
そこに何の考えもなかった。」

昔は誰も不吉なことと感じなかったのに、今では景気後退の確度の高い指標と考えられている。
こうした考えが現れたのは1970年頃なのだという。

「その頃から、逆転したイールド・カーブが起こると景気後退が起こるようになった。
その後、毎回、これについての声が大きくなってきた。
1970年まではそこそこありそうな説だったが、その後は自己実現的サイクルになったのだと思う。」

つまり、イールド・カーブ逆転と景気後退に従来の経済学的な因果関係や相関関係があるかどうかではなく「人々の考えが変わるから経済が変化する」こと自体が重要なのだ。
こうした考え方からすれば、このナラティブを迷信と片付けるわけにはいかない。
理屈はともあれ、イールド・カーブ逆転が人々の心理に影響を及ぼし、それが経済・市場に影響を及ぼす現象が事実起こっているからだ。

「みんな啓示のようなニュースを作り上げるのが好きだ。
読者を獲得し、安定した話にするための黙示録のようなものだ。
この話が次の景気後退を引き起こす点に差し掛かっていると思う。」

シラー教授は、経済学者が景気後退を予想するのがうまくない事実を明かす。
フィラデルフィア連銀が過去50年間の職業的予想者のデータを収集し、調べた結果を紹介した。

「ある研究が見出したのは、彼らが3-6か月は予想できるということ。
1年となると、この調査で尋ねたGDPがマイナス成長になる確率は、完全に現実と相関がなかった。」

シラー教授は、景気後退とは多分に心理的なものと考えている。
また、行動経済学が革命的なものなのに景気後退の原因を指摘してこなかった点を問題視する。
経済学は、景気後退という基本的な経済現象にさえ予想の手段を確立できていない。
それは市場も同じで、シラー教授は、1929年の大暴落を例に挙げ、これほど大きな市場の変化の前にさしたる原因が見られないと指摘する。
あったのは、直前の週・月に市場が下落したというニュースだけ。
確たる原因は見当たらない。

シラー教授は、経済学・ファイナンスが、人の心理やコミュニケーションの重要性を過小評価していると指摘する。

コンピューターの処理能力は高まり、多くのことが検索でき、意味検索や自然言語処理が改善した。
私はこれが経済学における次の革命になると思う。
・・・
おそらくこの部屋にはすでにこれをやっている人がいるだろう。
私たちの視野を政府が集めた統計から別のもの、個々人の考えやコミュニケーションに移すということだ。

 – 海外経済

「The Financial Pointer®」を閲覧する



最新情報をチェックしよう!
>C3 (Crypto Currency Community)

C3 (Crypto Currency Community)

キャッシュレス化の時代にいち早く暗号資産の取り扱いに慣れ、先行者利益を享受するためのコミュニティサイト

CTR IMG