金融市場の超長期サイクルと金投資の本質:ジム・ロジャーズ

 

ジム・ロジャーズ氏が、大きな金融市場のサイクルについて話している。
現在は困難な時代への入り口であり、投資家は保険としていくらか金をポートフォリオに組み込むよう奨めている。

(2020年代のテーマは)サバイバル、主にサバイバルだ。
経済と金融市場は極めて深刻な問題を抱えている。
誰もがサバイバルに終始する10年になるのではないか。

2020年代はどんな10年になると予想するか尋ねられ、ロジャーズ氏が答えたとIn Gold We Trust 2019 Reportが伝えている。
答の背景には、シクリカルに変動する金融史観がある。
ロジャーズ氏によれば、良好な金融市場が長く継続する期間とそれほど良くない期間が交互に現れる。
これからは再び厳しい時代に入るのだという。

「2008年、過剰な債務のために問題が起こった。
それ以来、債務は至るところでうなぎのぼりだ。
みんな財政再建を口にするが、誰もそれを実行しない。」

世界金融危機は債務危機だった。
その危機を封じ込めるために各国政府は債務を拡大させるやり方を用いた。
債務は少し居場所を変え、少々安全なところに移ったようにも思えるが、一方で債務の総額は大きく拡大した。
レバレッジ拡大のリスクが高まったのかどうかは定かでないが、十分に減ったのかどうかには疑問符が付く。

債務は確かに居所を変えた。
民間から政府・中央銀行へ、あるいは中国へ。
世界金融危機後の経済成長を支えた中国のバランスシートは、危機時には健全そのものだった。
だからこそ危機後の世界経済を牽引できたのだ。
ところが、その中国もこの数年債務危機の震源地となるのではないかと心配されている。

ロジャーズ氏は、この変化に1つの解釈を与えている。

「何十年も中国は借金をしていなかったところ、突然信用を得ることができるようになり、物事が簡単になったのだろう。
債務を抱えることの帰結をよく理解していないなら、すばらしいと感じるはずだ。
借金をして返済することをあまり考えないなら簡単だ。」

さらに、中国国民の知見にも一因があるという。

「資本主義システムにいる人なら悪い時代を知っている。
このシステムで育った子供たちは、人々が破産する恐ろしい話を聞いている。
今の中国では、長い間心配すべき債務がなかったため、子供たちがこうした話を聞いて育たなかった。
彼らの偉大な祖父たちはこうした話を知っているが、現在の世代はあまり認識していない。」

これは決して中国だけの問題ではない。
ウォール街においても徐々にバブルを知らない世代が増えている。
景気拡大は10年に及び、10年前に就職した投資銀行社員でも職場においてバブルやその崩壊を目の当たりにしていない。
すでに戦力の中心となっているだろう就職後5年の社員なら、住宅バブル崩壊時は高校生、同バブル時は(日本でいう)中学生の頃。
こうした世代は、日本の40代以下と同様に金利が大きく上昇することを身に染みて経験していない。

日本の場合は金利だけでなくインフレについても意識されない時代が続いている。
高金利やインフレ昂進を経験した世代がどんどん引退年齢を迎えている。
高金利や高インフレをことさら恐れるのは滑稽だが、リスク・シナリオから外してしまうことも同様に滑稽だ。

ロジャーズ氏の信念は、歴史が繰り返すということ。

いつもそうだったんだ。
金融市場が長くすばらしい時代とそうでない時代が繰り返してきたんだ。
金融界は40年間楽な時代を過ごしてきて、それが終わろうとしている。
いつものことなんだ。

では、困難な時代に向けて投資家はどう行動すべきなのか。
ロジャーズ氏は淡々と人々の行動パターンを説明する。

「歴史を通して、政府や通貨が破綻すると、常に金や銀に向かうようになる。
おそらくそうすべきじゃない(多くの学者がそう言っている)のだろうが、みんなお構いなしだ。
それが人々の行動なんだ。」

正しいかどうかではなく、それが人間の行動なのだ。
ただし、ロジャーズ氏はだからといって金を楽観しているわけではない。
金は万能ではないと言い切っている。

「保有すれば損をする時期が長く続いている。
私は長らく金を保有しているが、歴史を振り返れば、正しいタイミングで売買しない限り金で儲けることができないのがわかるはずだ。」

利殖を目的とするなら、タイミングよく売買することが重要という。
ロジャーズ氏自身はマーケット・タイミングに興味がないから、利殖のためには金を積極的に奨めていないのだろう。
この日はリップ・サービスも少なめに慎重な言葉遣いをしている。

金は保険として保有すべきなんだ。
医療保険、自動車保険、火災保険のようにね。
保険を使わないですむことを願うが、万が一のために買いたがる。
みんないくらか金・銀を保険として持つべきとは言ってよい。

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